師事すべき人物は必ずどこかにいる

体験談

「『仕事がつまらない』は何かを求めている証」の続きです。)

実地で教わらないと身に付けられない技術がある。これは試験室内検査だけでなく、と畜検査にもあります。
そして教えてくれた人との出会いを介して、初めて別の次元が見えてくる。

それを知って欲しくて、「衛生獣医、木崎勇介」平成28年矢作のエピソードを書きました。

と畜検査を覚えたての頃、ちょっと手順を覚えて解体ラインスピードに追い付けるようになると、もう全部できてるような錯覚に陥ります。
実はそこはと畜検査の入口に過ぎないのです。

目の前の1頭。それを含むロット全体。あるいは解体室全体。さらにはと畜場全体。
見えている検査員が誰で、見えていない検査員は誰か。
答えにたどり着く努力を怠らない人が誰で、適当にやり過ごしてごまかしている人が誰か。

そんな事に気付くと、自分がやらなければいけないことが一気に見えてくるし、師事すべき人物が誰なのかも自ずと見極めることができます。

獣医さんとしてと畜検査をしていると、胸を張って言えますか?
それとも単に解体業者のお手伝いさんをしているだけですか?

と畜場で獣医であることをやめるのはとても簡単です。

と畜場で獣医であり続けるためには、自ら相応の勉学をし、熟練者に師事して実地に修練を積む努力が欠かせない。
これは間違いなく事実です。

食肉衛生検査所を例にしましたが、同じようなことは保健所や動物愛護センター、県庁といった公衆衛生獣医師職場にもあてはまります。

そして師事すべき人物はどこかに必ずいる。

その人との出会いこそが、本当のスタートラインです。

「希望がかなわないことを組織のせいにしてはいけない」に続きます。)

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