今は別の仕事してるけど、公務員獣医師に転職しようと決心した。
公務員獣医師として仕事できるんだったら、どこの自治体でもまあいいかな。
そんなあなたに知っててほしい!
11月~12月、毎年どこかの自治体で獣医師の追加募集があります。
この追加募集に応募すれば、一番効率よく公務員獣医師に転職できるんですよ!
そのわけをこれからお話しします。
<参考記事>
・「地方公務員獣医師を検討している人がまず考えたい6つのポイント」
・「私が体験した家保、食検、保健所はこんなところ」
「どうか来てくれ」という採用者の心理を利用できる
春の採用試験でうまく予定人数の内定者を確保できたのに、辞退者が出てしまった。
年度途中で新たに退職を申し出る者が出た。
秋以降、こんな理由で突然の欠員が発生します。
突然の欠員。
その次の採用試験を待っていては、丸々1年欠員になってしまいます。
ならば、公務員になってもいいかな、と考えてる免許持ってる獣医さんや、まだ行き先の決まっていない来春卒業見込みの学生さんに来てもらおう!と募集するのが追加募集です。
特に免許持ちの獣医さんなら、本人の事情が許せば年度途中でもすぐ仕事してもらえますから、大助かりなんです。
欠員を出してしまうと自治体の部局を総括している部長や課長は、自治体の職員組合から大叩きを食らいます。
組合とうまくやっていけないとあいつは組合対策もできない奴だと言われて自分のキャリアに傷がついてしまうので、部長も課長も必死です。
欠員の1年間を臨時職員で穴埋めできればいいのですが、免許持ってる獣医さんがそんな都合よく体空いてて、1年だけ来てくれる人なんて、まあいません。
なのでなんとかして欠員を解消しようとします。特に主管課の課長は採用試験で面接官を担当することが多く、再募集に応募してくれたのなら、人物に問題さえなければ極力合格させたい、と考えています。
春の採用試験では課長の態度も「来た奴の中から選んでやる」という上から目線でしたが、追加募集では「どうか来てくれ」という低姿勢に一変します。
この心理に乗じない手はないのです。
新卒者と競争しなくて済む
多くの自治体が春に採用試験を行いますが、当然、この時は新卒者と共に受験することになります。
仕事をしながらの試験準備は、学生さんに比べ、当然圧倒的に不利です。
また面接時に必ず問われる志望動機は、学生さんなら通り一遍のもので大丈夫でしょうが、仕事をしている人間に対しては「どうして転職したいの?なんで前の職場を辞めることにしたの?」など、学生さんには繰り出さない突っ込みが入るのが常です。この面接で学生さんに比べネガティブな印象を植え付けてしまうかもしれないリスクがあります。
その点、12月の追加募集に応じるのは、圧倒的に転職者が多いです。しかも時期的に応募する人数も少ないです。
同じ境遇同士の受験者。しかも少人数。
面接で先の質問が出されるでしょうが、それは居合せた受験者みんなが聞かれます。ならば言い方もあるってもんです。
むしろポジティブな考えの持ち主だとの印象を植え付けるチャンスにもなりますよね。
追加募集という時期を選べば、面接も切り抜けやすくなります。
また近年、追加募集時の試験は、論文と適性検査、面接で済む自治体が多くなりました。
教養試験の準備を省けるので、転職者にとってはとてもありがたい取り組みですよね。
無職でいる時間が最短
お金のない時間は短いに越したことはありません。
特に家庭がある方にとっては、とても大事なことです。
12月に応募して内定が2月。
内定を取り付けてから今いる職場に退職願を出して、3月末に退職。
4月からは公務員として勤務。
これが最短パターンです。
ほぼ切れ目なく転職できますよね。
「いただきまーす!」(無償配布)
本作品は2020/4/19から2022/3/6までの間に「小説家になろう」にて連載され、通算4,883人、13,530PVと大変多くの方々からご愛顧いただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。
この度、「小説家になろう」を卒業させていただき、読みやすい縦書きに再編集し、電子書籍としました。
食肉衛生検査所や保健所って、ぶっちゃけどんな感じなんだろ…。
そんなあなたに、少しでも何かを感じてもらえたら。
そして今、現在公衆衛生獣医師として勤務している方の、何かのきっかけ作りになれたらいいな。
そんな思いを込めて、お届けします。(全6巻)
いただきまーす! 第1巻
いただきまーす! 第2巻
いただきまーす! 第3巻
いただきまーす! 第4巻
いただきまーす! 第5巻
いただきまーす! 第6巻
「自分で仕事して、今度は自分の舌で確かめる。先生方もなかなか乙な商売だねえ。」
(第1巻第3話)
「居場所を見つければ、迷いは消える。そういう人間は、強いものだよ。」
(第2巻第18話)
「県職なんか辞めちまえよ。」
そう言い放つと吉田は、あー、しゃべったらちょっとスッキリした、ちょっくらコーヒー取ってくるわ、と立ち上がり、ドリンクバーへ向かった。
(第2巻第28話)
「県職続けるとか辞めるとか、臨床やるとか他の道見つけるとか、そういうのはそのうちぽこっと答えがでちゃったりするもんさ。」
「俺みたいに、な?」
(第3巻第47話)
「俺はよ、」
「?」
「獣医さんにはあんまりいい印象ねえんだ。」
「え?」 思わず運転席の安部を見る。 「ちょっと許可事務覚えたぐらいで課の仕事全部わかったような顔して、保健所なんて獣医の仕事じゃねえ、なあんて抜かす奴を何人も見てきた。」
「じゃあ俺ら薬剤師はなんだっつうの、俺らがこの仕事、薬剤師の仕事だって思ってやってるとでも言いてえのか、ってな。」
「調剤やりたい奴は最初からそっちの道に行くし、行政に来ることなんかねえんだ。ここにいる薬剤師はみんな、こういう仕事やることになるんだろうなって、覚悟を決めてから入ってきてる。」
「役所に勤めてんだから、どこに配属されようが自分の専門分野と関係なかろうが、担当する法令をマスターして事案にあたる。そんなの当たり前のことだ。」
「大体よ、そもそもどんな仕事だろうが、仕事して人様から金もらうんだから、仕事に文句は言わねえし、仕事の手は抜かねえ。そういうのって、薬剤師とか獣医師とか以前に、人として当たり前のことだ。俺はそう思ってる。」
「だからよ、自分でやらせてくれって言って入ってきたくせに、仕事にブータラ抜かす奴見ると腹が立ってしょうがねえのよ。」
(第4巻第63話)
「俺、石野さん、山田さん、津田君。俺らは交代しながら郷浜の検査所と保健所を行き来する。みんながいてくれれば、たとえ俺が郷浜食検に転勤になったって、他の誰かが郷浜の小学生にずっと伝え続けてくれる。俺はここ郷浜で、そんな息の長い仕事をずうっとやり続けたい。そしてその先に見えてくる景色を見てみたい。そう思って、獣医職の人事システムの地域コミュニケーション担当に手を挙げたんだ。」
(第5巻第69話)
長沢がふう、と小さく息を吐き、一平に微笑む。
「そんときそんとき一生懸命考えて、選んだ道の先で後悔したり喜んだり。」
「俺の年になってもその繰り返しなんだ、実際。」
「みんなおんなじさ。」
そう言うと長沢が手元のコピー用紙を立ててトントンと揃え、一平に渡した。
(第6巻第84話)
「衛生獣医、木崎勇介(食肉衛生検査所編)」(無償配布)
本作品は2019/5/8から2019/8/3までの間に「小説家になろう」にて連載され、通算3,147人、6,388PVと大変多くの方々からご愛顧いただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。
この度、「小説家になろう」を卒業させていただき、読みやすい縦書きに再編集し、電子書籍としました。
平成の時代に全国の自治体で起こっていた団塊世代の大量退職。
その時、食肉衛生検査所で何が起きていたか。
平成の時代の食肉衛生検査所のリアルな姿を、食肉衛生検査所の獣医師として長く勤めていた私がお届けします。
「衛生獣医、木崎勇介(食肉衛生検査所編)」