福利厚生を盾に思いのままに生きようとした人の成れの果て

体験談

「知識も経験もない技術職の末路」の続きです。)

かつての職場でとある女性職員がとった行動が、今でも忘れられません。

彼女は独身時代から、ずっと気楽な仕事だけしていたいと望んでいました。

やがて結婚、出産、そして育休。
育休明けに間もなく二人目を妊娠。そして再び出産、育休。

そこまではいいのです。

2回目の育休明けで戻った公所は、最初に勤めた所で、勝手知ったる我が家みたいなもの。職場に戻った当初は幼い子供の育児への配慮から、軽い仕事を任されていました。

しかし、そんな職場だって新人君だって入ってくるし、他の人の異動もある。勤務年数の長い彼女に、そう長く楽なことばかりやらせておくわけにはいきません。

当時の上司が少しずつ業務を頼もうとした時、彼女が猛然と反発し始めました。

「職場に出入りしている関係者が自分の悪口を言っているから対処してくれ」との申し入れです。
上司が事情を詳しく聞き、慎重に周囲を調べてみますが、それらしい事実は見えてきません。

そのことを彼女に話しますが、彼女は「悪口はまだ続いている、音声データもあるが隠蔽されるのが嫌なので渡したくない」の一点張り。

いくつかのやりとりの間に、双方の信頼関係がどんどんこじれ、上司達は腫れ物扱いをするようになってきました。

そんな中でも人事異動のシーズンはやって来ます。

とある上司が気分転換と人間関係のリフレッシュを理由に、異動を勧めてみました。

しかし彼女は「自分はここがいい。私を追い出そうとしているのか」と猛反撃。
ついに上司や県庁上層部への不信感をあらわにし、人事課へのハラスメント申し入れに留まらず、知り合いの大物公所長まで担ぎ出して大騒ぎになる始末。

当時の県庁人事課と上層部が出した結論は、「まあ、そっとしとこうぜ。」です。

「そっとしておく」とはどういうことか。

要注意人物としてブラックリストに載せておき、異動もさせない、ということです。

一見、彼女の勝ちに見えますが、そうではありません。
異動しない、つまり昇格の機会がぐっと減ることは、イコール給料がほとんど上がらない、ということ。
その昇給の遅れを取り戻すことはできませんから、実質、減俸処分です。

要は「飼い殺し」ってやつですね。

こうしたかつてのやり取りは代々の管理職と当事者の間だけで共有されていましたから、表面上は全く穏やかな職場に見えます。

でも、さすがに十何年以上も経ってるのにこいつまだおんなじ担当に居座って新人君がやるような軽い仕事ばかりやってんのか、なんでだろ?って周囲から思われ、完全に職場から浮いた存在になってしまいました。

もう彼女は後戻りすることはできません。
このまま定年まで飼い殺されて終わりです。

組織って、怖いとこです。

「悲惨な公務員人生を送らないために」に続きます。 )

タイトルとURLをコピーしました