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今回ご紹介するのはこちら。
「牛白血病ウイルスの簡易迅速PCR法の検討」 鹿児島市
牛白血病。
牛を主力にしていると畜場を担当している食肉衛生検査所で働いている獣医さんなら、必ず出くわす症例ですよね。
牛の内蔵検査していると、いきなり目の前にリンパ節がボッコボコに腫れているやつが流れてくる。
うわ、来やがった…。
内蔵だけじゃなく他の体の部位を診ても、剖検所見上、牛白血病に間違いなさそう…。
牛白血病となれば、その牛1頭丸ごとぜーんぶ廃棄。枝肉だけでも500kgぐらい。金額にすりゃあ相当なもんです。頭だって皮だって捨てなきゃならないし…。
人様の財産を捨てるんです。
当然、きちんと根拠を持って診断を下さなきゃいけない。
多くの食肉衛生検査所ではこの場合、その牛からサンプリングをした後に一旦冷蔵庫に保管しておき(検査保留)、その間に試験室内で、
①血液塗沫標本やリンパ節のスタンプ標本
②抗牛白血病ウイルス抗体検出(エライザ)または遺伝子検査、あるいはその両者
を行います。
で、①と②で牛白血病ウイルスが関与した牛白血病だとする結果が得られた時点でその牛を全部廃棄し、後日作成した臓器の組織標本で病理組織学的に確認する、という手順をとりますね。
問題となるのは検査保留に要する時間です。
保留している間の冷蔵庫使用料は、その牛を持ち込んだ食肉業者さんの負担(生産農家さんの負担、とも言えます)。そして保留している間にどんどん肉質に影響が出てくる。
牛白血病に限らず、試験室内でやる検査に要する時間は、限りなく短い方がいいのです。
この報告をまとめた鹿児島市の獣医さんは、牛白血病の遺伝子検査にかかる時間を6時間30分から2時間30分に短縮しました。
午前中に探知したなら、全速でやれば当日中に処分を判断できるスピードです!
それだけじゃありません。
検査にかかるお金も約3,000円から500円と、断然お安くなっちゃいました!
いやー、食肉衛生検査所なんて、どこだって貧乏所帯。
これで済むなら大助かりです!
私の「いただきまーす!」に出てくる里崎食検の検査課の鬼姫、木村真知子がこの報告を聞き付けようもんなら、なんだって!いっぺん見せて!って、がしっとふん掴まえられる所でしょうなあ…。(大笑)
あとはこの手法をいろんな食肉衛生検査所から試してもらい、精度と感度が上がってくれることを願うばかりです。
私は食肉衛生検査所の試験室内検査に関わることが長かったので、こういうネタは、大好物なんです。
またピチピチしたいいの入ったら連絡しまーす!(笑)
論文はこちらから。
(「保護された猫の写真展」に続きます。)