(「楽をしようと公務員を選択したみなさんへ」の続きです。)
獣医職に限らず、公務員職場の業務量と求められるスキルは、全く違う会社に転職しちまったんじゃないか、って思いたくなるほど、部署や担当によって違います。
入庁早々、たまたま責任の軽いルーチンワークの担当に配属された人は、「ああ、こりゃ楽だ。」と思うでしょうね。
しかもそういう人って、まあ間違いなくずっとそこに入られると思っている。
それが致命的な勘違いだということに、なんですぐに気付かないのか。
私には分かりません。
公務員の昇格・昇給は、年齢と勤務年数をベースに淡々と行われるしくみ。しかもそれは配属部署や役職の転換時に行われます。
概ね2、3年程度で異動があるので、入庁から10年も経てば、だいたい公務員職場のこと分かったよね、じゃあ、ひとつの係ぐらい背負ってもらうね、と言われちゃうんです。
本人がずっとそこでおんなじ仕事がやりたいです、って言ったって、時間がくればガチャンと仕事を代えてきます。
たとえ同じ公所内の内部異動だったとしても、担当係が代われば仕事の中身も変わる。担当係が代わらなくたって、自分の立場が上になる。
立場が上がれば、自分に背負わされる仕事も責任も、どかんと増えてきます。
何をどうやったって、10年もあれば「こりゃ楽だ」なんて言えなくなってくるのです。
(「組織が剥く牙、とは?」に続きます。)